コラム「障がい」と「仕事」
【障がいがある方が働きやすい環境で働く】
「特例子会社」とは
2024.01.08
皆さま、こんにちは。
わたしは障がいがあるかたの就労サポートをしているYと申します。
これまで「障がいと仕事」をテーマに様々な働き方についてご案内していますが、
本日は【働きやすい環境で働く】「特例子会社」についてのコラムをお送りいたします。
このコラムを読まれる方の中には就職をする際に、障がい者雇用を考えている方が多くいらっしゃる事かと思います。
障がい者雇用については12月のコラムの中で触れさせていただきましたね。
障がい者雇用の中の一つ、特例子会社について今回はお話をさせて頂きます。
このコラムが少しでも皆さまの働き方を選択に関しての手助けとなれば幸いです。
特例子会社とは
皆さまは特例子会社についてご存じですか❓
簡単に説明をするのであれば「障がい者雇用を積極的に行うための環境が整えられた会社」のことです。
もう少し詳しく説明をさせていただきますね。
特例子会社とは企業が法定雇用率を達成するために設立された障がい者雇用に特化した子会社です。
この子会社で障がい者雇用を行えば親会社で障がい者雇用を行った事と同等になります。
従業員が100名の会社であれば法定雇用率から3名の障がい者雇用が定められていますが、この3名が親会社ではなく特例子会社で採用されていれば親会社の法定雇用率が達成されているという事になります。
特例子会社の数も年々増加しております。
今後、法定雇用率が上がっていくことを考えると企業にとって特例子会社の需要は大きくなっていくかもしれませんね。
これから特例子会社の数が増えていけば、障がい者雇用の場も増えていくので今後に期待したいところです。
参考:特例子会社一覧(R5年6月1日現在 全国で598社)
特例子会社での業務内容は障がい者求人で出されているものと大きな違いはありません。
その業務の多くが親会社をサポートするための内容になっているというのが大きな特徴かもしれませんね。
例えば親会社の展開する店舗の清掃や品出し、親会社からの依頼を受けての名刺印刷やコピーなどの雑務などがあります。
今まで障がい者求人で応募を検討していらっしゃった方であれば、業務内容について通常の障がい者求人より難しい事を求められるという話でもないため、選択肢の一つとして考えてみるのもいいかもしれませんね。
特例子会社のメリット・デメリット
これまで特例子会社概要と業務内容を見てきて、一般企業の障がい者求人で出されているものと大きな違いがないことを見てきました。
それでは次は特例子会社で働く事のメリット・デメリットは何があるのかを確認をしていきましょう。
●特例子会社のメリット
まずはメリットについてです。
大きなメリットとしては、特例子会社自体が「障がい者雇用の為の会社である」という点にあると思います。
また大きく分けて環境面、心の面の2つがあるように思えました。
・環境面のメリット
通常の障がい者雇用では、基本的には障がいの無い方が主に働くための環境が整えられており、その中で障がいを持つ方が配慮を受けながら働く形となるケースが多いです。
ですが、特例子会社であれば初めから障がいのある方を受け入れる会社として環境を整えてありますので、一般企業の障がい者雇用よりも更に働きやすい環境が望めることでしょう。
例えば、車椅子の方を配慮して通路が広く作られてある、業務指示が可視化されている、有給休暇を取りやすい、福利厚生が充実しているなどが見られます。
このことから企業が従業員に働きやすいように環境を整えている事が分かります。
・同じ仲間がいる安心感
会社側の環境が整っている点はもちろんですが、従業員に障がいのある方が多いという点も安心して働けるポイントの一つかもしれませんね。
特例子会社ではありませんが障がい者雇用の方が多い環境に就職された過去のご利用者様からは、自分と近い悩みを抱える方の多い環境で過ごしやすさを感じるというお話を聞かせて頂いた事もありました。
わたし自身も経験上、「同性の多い職場の方が働きやすい」や「年齢の近い方の多い職場の方が働きやすい」といった自分と近しい相手の多い職場は価値観が近く働きやすい傾向があるように感じます。
そういった意味でも、障がい者雇用の方が多い職場は安心して働ける可能性が高いかもしれませんね。
その他にもいわゆる大企業と呼ばれる会社が親会社となり特例子会社を設立しているケースも多い為、大企業の子会社で働く事が出来るという点でも安心感があるかもしれません。
●特例子会社のデメリットとは
では、デメリットには何があるのでしょうか。
デメリットのほとんどは一般就労と比べた際の障がい者雇用のデメリットと似ています。
例えば、業務内容が複雑ではないケースが多い為、給与が低くなる傾向があります。
さらに一般企業の障がい者求人と比べても、特例子会社の方が低い場合があるようです。
加えて、昇進が難しいといったデメリットもあります。
単純な作業が多いことから、スキルアップへの道筋が整っていない事業所が少なくはないようです。
ですが、中にはスキルアップへの取り組みを行っている特例子会社もありますので、気になる求人があった際には事前に調べてみて頂ければと思います。
【働きやすい環境で働く】「特例子会社」まとめ
さまざまな働き方の一つに、障がい者求人の中に「特例子会社で働く」という選択肢があります。
企業側に合理的配慮を求める事が出来る障がい者雇用の中でも、更に障がいのある方の働きやすい環境が整えられている職場が「特例子会社」となります。
給与やスキルアップに関するデメリットはあるものの、障がいに対しての理解がある職場で近い悩みを抱えた方と共に働く事が出来るため、お金よりも安心して働き続ける事を重視する方には適した環境なのではないでしょうか。
いざ特例子会社で働きたいとなった場合、特例子会社は増えてきたものの、全国的に598社と数が少ないため、求人を探すタイミングで求人が出ていないことがあるかもしれません。
ある程度ご自身の力で就職活動をされている方であればハローワークの障がい者求人の窓口に相談し、ご希望の勤務地で特例子会社の求人が出ているか尋ねてみてはいかがでしょうか。
参考:特例子会社一覧(R5年6月1日現在 全国で598社)
ご自身の力だけで就職活動をするのは難しいという方は、就労移行支援事業所にご相談ください。
就職に向けてのスキルアップだけでなく、利用者様のご希望に沿う求人があればご案内させて頂きます。
特例子会社の求人が出ていない間は就労に向けての準備を進めることも出来ますので、希望の求人を待つ時間も有効に活用する事が出来るでしょう。
特例子会社に限らず、希望の求人を自分の力だけで探し出すことはとても大変なことだと思います。
その大変なことをサポートするためにハローワークの障がい者求人の窓口や、障がい福祉サービスの就労移行支援事業所があります。
一人で悩むのではなく、こういった施設を活用しながら自分らしく生きていける就労場所を探していきましょう。
そのために、私たち就労支援員は全力でサポートをさせて頂きます❗
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📢次回は1/15(月)「【障がいのある方が働きやすい環境で働く】-「一般就労と福祉的就労」とは」について掲載予定です。
毎週、お会いできることを楽しみにしています。
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