コラム「障がい」と「仕事」
【うつから就労移行支援で就職まで】ストレスを貯めない方法“コーピング”とは?
2024.03.04
【うつから就労移行支援で就職まで】ストレスを貯めない方法“コーピング”とは?
みなさんこんにちは。
わたしは以前うつ,、不安障がいを患い、就労移行支援アクセスジョブを利用していた元利用者のゆるゆるです。
おかげさまで、うつから就労移行支援で就職までを1年半で出来ました。いまは、障がい者雇用で働いています。
前回のコラムの中で簡単なうつ、不安障がいのわたしの紹介と就労移行支援事業所にお世話になるまでの経緯をお話させていただきました。
今回から本格的にうつと不安障がいのわたしが就労移行支援を通じて学んだストレスコントロールについてご紹介をしていきますね。
今回は「ストレスを貯めない方法“コーピング”」です。
就労移行支援で就職までを頑張っておられるみなさんへ。
わたしのようなうつと不安障がいの方だけでなく、統合失調症、適応障がい、ADHD 自閉症スペクトラムなど現在何らかの大変さを抱えている方もぜひ参考にしていただければ幸いです。
就労移行支援で学んだ“コーピング”とは?
就労移行支援で学んだ”コーピング”とは❓何でしょうか。ご説明します。
わたしは精神障がいであるうつ、不安障がいがあります。「ストレス」を感じる事、多くあります。
統合失調症、適応障がい、ADHD 自閉症スペクトラムなどの心の病気、精神障がい、発達障がいと共存しているみなさまも同じだと思うのですが、生活していると「ストレス」ってとても怖いですよね。
coping(コーピング)とは英語で「対処」を意味する言葉です。
ストレスへのコーピングとはストレスの原因であるストレッサーに対して上手く対処をすることだと就労移行支援で学びました。
このコーピングには大きく分けて3種類があります。
【コーピングの3種類】
- 問題焦点型コーピング 🔎
- 情動焦点型コーピング ☺
- ストレス解消型コーピング☕
このように言葉を並べたところで、うーん🌀…聞き慣れない言葉が多いですね。
就労移行支援を利用していても、うつや不安障がいから完全に回復したわけではなかったこともあり、わたし個人の気持ちとしては、堅苦しさに学ぶ気力が削がれてしまう…というのが正直なところでした。
初めて就労移行支援でコーピングについてグループワークがあった際にも、おそらく難しさが表情に出ていたようです。笑。
就労移行の支援員の方が「わかりにくいですよね」と笑っていました。
そこで、もっと簡単に考えてみてはどうかと提案をいただき、就労移行支援でグループワークの仲間と一緒によりわかりやすいコーピングの意味と方法について考えていきました。
次に、うつと不安障がいのわたしが学んだストレス対処法、本来のコーピングの意味についてご説明をさせていただきます。
ストレス対処、本来の”コーピング”3つの意味
まずはストレス貯めない方法、本来の”コーピング”3つの意味を確認していきたいと思います。
【”コーピング”3つの意味】
①問題焦点型コーピング 🔎
ストレスの原因となっているストレッサーを対処する事で、ストレスの根本から解決をしていこうとする方法です。
ストレッサーに直接対応をする場合もあれば、自分の考え方を変える事でストレッサーをストレスだと認識しないようにしていく方法があります。
②情動焦点型コーピング ☺
ストレスの原因であるストレッサーに着目するのではなく、ストレッサーに対する自分の考え方や捉え方を変えていく方法です。
③ストレス解消型コーピング ☕
ストレッサーに対して働きかけるのではなく、気分転換をすることでストレスに対応をする方法です。
就労移行の在宅支援で”コーピング”を学ぶ
就労移行の在宅支援で”コーピング”を学ぶこともできました。
”コーピング”3つの意味を学んだ際、「ストレス解消型コーピング☕」はわかりやすかったのですが…。
「問題焦点型コーピング🔎」と「情動焦点型コーピング☺」の違いがよくわかりませんでした🌀
言葉の意味としての違いはわかるのですが、結局何をすればいいのかがピンと来なかったのです。
就労移行支援の仲間ははきっと理解できたんだろうな…わたしには難しいのかな…そのモヤモヤが更にストレスに繋がり不安感、うつ症状……となりました😢
この時点でうつっぽくなり、ストレスを抱えてしまうようなメンタルの弱さでは仕事が続かないのではないかという不安がわいてきます🌀。うつと不安障がいを抱えながら通所することにしんどさを感じる事も少なくはありませんでした。
そんな時は就労移行支援の在宅支援で”コーピング”を学びました。
就労移行支援アクセスジョブでは在宅支援が提供されていたので、うつ、不安症状が強いときは、午後から自宅からオンラインでグループワークに参加しました。
就労移行支援の在宅支援はうつ、不安障がいのわたしが、午後から調子を取り戻せる特性にマッチしていて、とてもありがたかったです。(1日でも無駄にしたくなく、自分のために学びたかったので)
少し話がそれましたが、次に就労移行支援の仲間と支援員の方とグループワークで考えていったのは、”コーピング”を深堀りすることです。
就労移行支援でどういった行動がストレス対策となるのかについて考えていくうちに、うつと不安障がいのわたしが今まで出来ていたストレス対策は「ストレス解消型コーピング☕」であること。
「問題焦点型コーピング🔎」や
「情動焦点型コーピング☺」が、ほとんど出来ていなかったことに気が付けたのです。
同時に、精神障がいであるうつと不安障がいになった当時のわたしには、この対処事態が難しいものだったということもよくわかりました。
ストレスを貯めない方法”コーピング”の深堀り
次に、ストレスを貯めない方法”コーピング”をより深堀りします。
就労移行支援でのグループワークでは、利用者の方はうつ、不安障がいの事をよくわかっていらっしゃるようでした。わたしと同じ、精神障がいを患っておられたのかもしれません。
支援員の方も、うつと不安障がいのわたしの根っこの部分、自分の中にある精神面の弱さに共感してくれました。そのことはとても嬉しかったです。
わたし達は ”コーピング”として行う行動を、
- はきだす
- わける
- ゆるめる
この3つに分けて考えました。 それぞれの行動についてご説明をしていきます。
うつにならないように はきだす
うつにならないように はきだすとは、ストレスを抱えていると感じた時に自分の気持ちを吐き出すことで精神を安定させていくことです。
吐き出す相手は友人知人でも良いですし、ノートや日記に書き出すでも良いです。
また、誹謗中傷とならない範囲であればSNSで悩みをはき出すというのも良いかもしれませんね。
自分の中にあるストレスをはき出すことが出来れば、それだけで心が少しは軽くなります。精神障がい特有とも思うのですが、うつ、不安症の「どうしよう」でいっぱいの状態を回避できます。
また、吐き出す相手が就職先の上司であれば「相談」となり、環境の改善に繋がると思います。
家族や友人にはき出したのであれば、自分一人では思いつかなかった考え方を聞くことが出来、自分自身のストレスへの受け止め方に変化が生まれるかもしれませんね✨
この「はきだす」という行為一つから、
・問題焦点型コーピング🔎
・情動焦点型コーピング☺
・ストレス解消型コーピング☕
と全ての”コーピング”に繋がっていきます。
”コーピング”という手法から考えていくと理解が難しかったのですが、ストレスコントロールとして行った行動がどのような結果に繋がっていくのかと考えると理解がしやすくなりました。
わたし自身、うつと不安症状軽減のためにストレスが溜まったら「はきだす」行為は行っておりましたが、家族や友人に話すいわゆる愚痴でしかなかったため、根本の解決には繋がらなかったことがよくわかりました。
仕事をしていく中で、困りごとを上司に相談するという事は今でも苦手です。
ですが、就労移行支援を活用した後でも、支援員さんが定着支援でわたしと企業の間に入っていただいていることもあり、安心感があります✨
身近な存在の就労移行の支援員さんに相談するという形で「困りごとのはきだし」が出来ていて精神的にとても楽になり助かっております。
不安症がいの、不安でたまらない部分が、緩和されています。
不安状態を わける
不安状態をわけるというのは「整理する」「切り分ける」という意味でもあります。
うつや、不安障がいでストレスが溜まってモヤモヤしている状態の時、そもそも何がストレスになっているのか把握が出来ていないと対策の取りようがありません。
就労移行支援では、まずは自分のストレスの原因を「整理する」ことで、今の自分の精神の状態を把握していきました。
原因が整理出来ると、次はストレスの「切り分け」が出来るようになります。
これはストレスに対して「自分で対策が出来ること」と「どうしようもないこと」に切り分けていく考え方です。
例えばADHDの方のストレスの原因が以下だった場合です。
・寝不足 🌀
・職場近くで行われる工事の騒音 ⚡
・友人との喧嘩 💔
・仕事量の増加 ⤴
「工事の騒音」についてはこちらが何をしても早く終わる事はありません。
工事が終わるまで耳栓を使う、イヤーマフなどしてしのぐしかないでしょう。
このように、ADHDの方のみならず、精神障がいをお持ちの方は特に、自分自身でどうすることもできないストレスに対してイライラした気持ちを抱え続けてしまうとひどく疲れてしまいます。
そして、健康な方でもそれが積もり積もると、うつ病や不安障がいに繋がってしまいます。
自分の力ではどうしようもないことについては、割り切って諦めていくという事もストレスコントロールとしては有効です。
これが「情動焦点型コーピング☺」または「問題焦点型コーピング🔎」のストレスへの認識をずらすことに当たる考え方となります✨
精神障がいであるわたしたちはおそらく、「割り切る」という考え方が最初はとても難しいため、物事の受け止め方を変えていく、という意識がとても重要になってきます。
うつ、不安障がいのわたしも物事の受け止め方を変えていく意識が中々上手く出来ず、些細なことでうつや不安障がいがでてくる精神状態でした。うつから就労移行支援で就職までできるのか、仕事が出来るんだろうかと弱気になる事が多くありました。
そんなわたしに就労移行支援の支援員さんが何度も「それはあなたのせいではないと思いますよ✨」と声を掛けてくださったお陰で、全てを自分のせいだととらえなくても良いのだと気付く事が出来ました✨
うつから就労移行支援で就職までの過程の中で、うつ症状の一つである、自分の責めてしまう思考のクセを知りました。
気持ちを ゆるめる
気持ちをゆるめるというのは「考え方」や「気持ち」をゆるめていくということです。
先ほどの「割り切る」と似た考え方ではありますが、こちらは「気を抜く」という意味に近いです。
以前うつと不安障がいが理由で退職した仕事の中で感じたストレスの多くは、自分で自分に課してしまった負荷だったように思います。
😢与えられた仕事を頑張らねばならない。
😢もう新卒ではないのだから先輩としてもしっかりしなければならない。
😢多少の残業や睡眠不足でもみんな頑張っているのだから自分だけが弱音を吐いてはいけない。
こうして言葉にしてみると、新卒で就職、3年半仕事をしていた時のわたしは「ねばならない」に取りつかれ、ひどく気を張っていたというのがよくわかります。
これではうつになるのも当然ですよね。
就労移行支援に対して、うつであっても、不安症がいであっても、「働くために厳しく、自分を律する場所という」イメージが強かったため、アクセスジョブを利用して驚いたことの一つに、支援員さんからよく「無理しないでいいですよ✨」「頑張りすぎないでくださいね✨」という言葉を掛けてくださったことがあります。
良い意味で固くこわばった緊張がゆるんだことを覚えています☺☕
うつ、不安障がいを知ってもらい障がい者雇用で就職
ストレス対処法を学び、うつ、不安障がいを知ってもらい障がい者雇用で就職ができました。
最初は就労移行支援の方からの「無理しなくてよい✨」「頑張りすぎない✨」のお声かけに対し、「そんな甘い考え方で就職は出来ないのではないか」と思っていました。
就職について相談をすると、就労移行支援の支援員さんから、
「今後オープン就労で働いていくのであれば、会社へ合理的配慮を求めながら無理せずに働く事が可能なんですよ」
と教えていただきました。
これは心持ちの話ではなく、うつや不安障がいであっても実際の働き方として、無理のない働き方ができるというオープン就労の選択肢があることを知りました。
オープン就労とは、自分はうつと不安障がいをもっており、働くうえで困難がある、と企業に伝えて就職することです。さらに、障がい者雇用を詳しく知ることができました。
実際、今は精神保健福祉手帳をもっており、うつと不安障がいがあることを会社に知ってもらい就職。障がい者雇用で、合理的な配慮を受けながら無理のない範囲で仕事をする事が出来ています。
うつと不安障がいのわたしが障がい者雇用で会社から配慮していただいていることは、受診日にお休みをもらう、疲れたら小休憩をいただく、です。
もっと頑張りたい、仕事を任せてもらいたいという気持ちも中にはあるのですが、しばらくの間はその気持ちは一旦置いておき、がんばりすぎないよう、ゆるめています☺
今できること、任せられた事に確実に応えていこうと、しています。
これもまた、「情動焦点型コーピング☺」や「問題焦点型コーピング🔎」の一つの考え方ですね。
専門用語はわたしには難しかったのですが、就労移行支援ではわかりやすい言葉で、うつ、不安障がいわたしの悩みや境遇を踏まえて一緒に考えてくださいました。
お陰で、就労移行支援を利用する以前よりもずっとストレスコントロールが上手く出来るようになりました。
最後に ”コーピング”-就労移行支援から就職へ
いかがでしたか?
就労移行支援から就職までの中でストレスを貯めない方法”コーピング”ついて、仲間とわたしが学んだやり方という視点でご説明をさせていただきました。
今は障がい者雇用枠で就職でき、ずいぶんと不安症やうつ状態が落ち着きましたが、就労移行支援を利用し始めた頃の自分はまだ精神が安定しておらず、心の中にトゲトゲ⚡とした感情が根強く残っていたように思います。
その状態で”コーピング”について学んだときは「それが出来ないからわたしはうつになったんじゃないか」という苛立ち⚡もありましたが、そんなわたしの気持ちを察して飲み込みやすい考え方を一緒に考えてくださったアクセスジョブの支援員さんがいたことは本当に有難く思っております✨
ここまでコラムを読んでくださった方の中にも同様に「そんな考え方が出来たら苦労しない」「精神障がいがある自分には出来ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
一番大切な事は、コーピングのスキルを身に付ける事ではなく、健康であっても、障がいがあっても、誰もが自分にとって納得のいくストレスコントロール方法を飲み込んでいくことだと思います🌱
自分一人では難しいという方はわたしのように、就労移行支援の支援員さんやサポートしてくださる誰かの力を借りながらストレスと向き合う準備をしていきましょう✨✨
📢次回は3/11(月)【就労移行支援で就職まで】「過度なストレスを感じたら」を予定しております。 またお会いできることを楽しみにしております。
就労移行支援事業所「アクセスジョブ」ではいつでも見学や無料体験を受け付けています。
ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。お待ちしております。
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