コラム「障がい」と「仕事」
春の転職と2024年度障がい者雇用率:就労移行支援
2024.04.01
みなさんこんにちは。
わたしは就労移行支援アクセスジョブを卒業した元利用者のゆるゆると申します。
本日は4月1日。2024年、新年度のスタートです。
今日からお仕事をされる方、ご入社おめでとうございます🌸
学生から新社会人へ。また転職として多くの人が新しい職場やキャリアに向けて動き出す時期でもありますが、これは障がいを持つ方々にとっても同様です。
企業におきましては障がい者雇用におきまして本日2024年度から法定雇用率が2.3%から2.5%へ引き上げられました。
2024年度障がい者雇用率
本日は「2024年度障がい者雇用率:就労移行支援」のコラムを以下の順番でご説明いたします。
- 就労移行支援という選択肢
- 就労移行支援プログラムの具体例
- 2024年度 令和6年4月1日からの障がい者雇用率
- まとめ
まず、就労移行支援とはいったいどういう福祉サービスなのでしょう。
就労移行支援という選択肢
就労移行支援という選択肢を考える際に知っておくことがあります。
一般的に求人業界では、寒い時期の12月~3月は一年で最も人の動きが大きい時期と言われています。
それは新社会人になる方や4月に新しい職場を望む方が増える傾向があるからです。
また、企業としては、次年度の障害者雇用率を満たす必要があるので、障害者雇用を目指す方は求人を注視されています。
その中で、
・3月まで就職活動を続けているけど、うまくいかない方。
・希望職種の求人が出ていなかった方。
・年度末でお仕事の区切りがついた方。
2024年度から「自分らしく働く」転職・就活について、就労移行支援を使う、というのも一つの選択肢です。
なぜおススメするかといいますと、障がいを持つ方々が障がい者雇用などで就職し、職場でその人らしく活躍するためには、適切なサポートが必要な場合が多いからです。
では適切なサポートとは具体的には何なのでしょう❓
私もそれが何なのか、ひとりではわかりきれずにいましたが、就労移行支援でプログラムを受けている際に理解できました。
前職では仕事だけに目を向けており、自分に意識を向けてこなかったのですが、就労移行支援では、改めて時間を取って、自分自身を振り返ることができました。自分を大切にする、自己理解をする上で就労移行支援のプログラムが大変役にたったな、と感じています。
さて、みなさんはご自分の事を理解し、大切にできていますか❓
実は、自分の事って「意外とわからないものだな」が、わたしの感想です(笑)
もちろん、「就労へ移行する支援」ですから、就職活動では支援員さんの適切なサポートがあります。
わたしもその支援を受けたひとりで、障がい者求人に、企業の法定雇用率があることも知りました。
今は障がい者雇用枠で事務職として再就職できています。
では就労移行支援のプログラムにはどういったものがあるのでしょうか。具体的にみていきましょう。
就労移行支援プログラムの具体例
就労移行支援のプログラムにはどういったものがあるのでしょう。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいた福祉サービスです。障がい者が職場環境に適応し、スキルを磨き、自立した生活を送ることができるための支援を提供するもの、となっています。
こちらに就労移行支援のプログラム具体例を書き出してみました。
以下5つのような支援が行われます。
- キャリアカウンセリング
- 職業訓練
- 就職支援
- 職場適応支援
- 職場定着支援
それぞれについて確認してきましょう。
1.キャリアカウンセリング
個々の能力や興味を考慮し、適切な職種や実習先を見つけるための支援が行われます。
健康状態の把握、生活リズム、働ける体力はどれぐらいか。
これまでの仕事、持っているスキルや困難と思ったことなど、大変丁寧に聞き取りがありました。
就労移行支援というところが、私自身をとことん理解してくださる姿勢が嬉しく感じました。
聞き取りの内容は、職業準備性ピラミッドというものに照らし合わせて考えることができます。
こちらの画像が、職業準備性ピラミッドです。
底辺から生活基礎を整えていき、就職準備へ至る、という構図となっています。
2.職業訓練
就職に必要なスキルや知識を身に付けるためのトレーニングやプログラムが提供されます。
わたしが通っていた就労移行支援でのスキルアッププログラム例です。
・eラーニングシステムでパソコンでのスキルアップ
・オリジナルオンライン講義でデザインや動画作成の勉強
・MOS対策や民間資格の取得など
実際の仕事に見立た模擬就労では、
・軽作業訓練
・電話応対の練習
・時間とスピードを意識したパソコント入力など
就労移行支援サポートで、障がいがあるから「これができない」ではなく、わたしの良いところをピックアップして、「病気や障がいがあっても、これだけの仕事ができるんだ!」という強い就労意欲をもつことができました。
3.就職支援
就労移行支援では、転職・就職活動全般に関する支援が行われます。
・希望職種の求人情報の提供や求人票の見方
・履歴書の書き方
・面接の準備
・企業見学、実習など
特に履歴書は採用担当者の目に留まるもの、という意識で書いていきます。面接練習は繰り返し行い、回数をこなすことで自信がつきました。
企業見学や、実習も支援員の方が同行してくれ、安心でした。
企業側も障がい者を雇うこと、法定雇用率を満たすことはとても大切な事なので、お互いに真剣だったと深く理解できます。
4.職場適応支援
職場で長く働くことを想定した職場適応に必要なスキルを身に付けるための支援があります。
例えば
・会議を見立てたグループワーク(オンラインもあり)
・ストレスコントロール
・会話型のソーシャルスキルトレーニング
・敬語やメール返信法、ビジネスマナー 等です。
コミュニケーションに課題をお持ちのかたが多く、場面に応じた色々な適応法を知ることが出来ます。
5.職場定着支援
実際働き始めて半年間のフォロー体制があります。
雇用側、企業も採用した人は長く働いてほしいと思ってくれています。
また障がい者雇用では、2024年度から合理的な配慮が義務付けられ、働きやすくなっています。
障がい者雇用推進、法定雇用率を満たす、という理由もあるでしょうが、ひとりひとりの個性を大切にする、働く戦力として見てくれている、という空気感を感じます。
就労移行支援支援の支援員さんが定期的に企業面談に入ってくれ、私の困り感を代弁してくれることがありました。わたしも企業も就労移行支援も、合理的な配慮のもと長く働く方法を一緒に考えました。
(半年間が終わると、「就労定着支援」という別の福祉サービスを受けることが出来ます。)
2024年度障害者雇用率引き上げと短時間労働
嬉しいことにこの春、本日2024年度から障害者雇用率が引き上げられています。
こちらの画像は厚生労働省からの引用です。
この図の通り、この法定雇用率が民間企業は今まで2.3%だったところ、令和6年4月、今日から2.5%へ引き上げ。令和8年度から2.7%に引き上げられます。
また(2024年)4月1日から、短い時間の勤務であっても障がい者雇用の算定対象となります。
「障害者雇用率算定制度」が改正となり、
🔸週あたり10時間以上、20時間未満での勤務
🔸精神障がい者、重度身体障がい者、重度知的障がい者である
上の2つの条件にあてはまる場合、
企業側が障がい者雇用率制度において1人を「0.5人」としてカウントすることが可能になります。
「障がい者雇用で働きたいけど、障がい特性のため週20時間以上の仕事をするのは難しい」
「20時間よりもっと短い時間から仕事したい」
と感じていた方にとって、働ける機会が増えることにつながります。
さらに2024年度から合理的な配慮が義務づけられ、採用された障がいのある方がが継続的に働くことができるように仕組化されました。
これらのことををかんがみると、今後も障がい者求人が増えていくことでしょう。
ノーマライゼーションという共生社会実現の理念の下、すべての事業主に法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。
多様性という言葉を多く聞かれるようになりましたが、障がいがあっても自分らしく活躍できる世の中へ確実に変化していっています。
(リンク先:障害者雇用の引き上げ厚労省 https://www.mhlw.go.jp/content/001120188.pdf)
転職、就活には一般就労だけでなく、障がい者雇用という選択肢がさらに広がる、というイメージです。
2024年度障がい者雇用率:就労移行支援 まとめ
ここまでで障がい者がある方が春の転職を考える際に、就労移行支援という選択肢があること。
障がい者雇用率、短時間就労、合理的な配慮などで国や民間企業も、皆さんをバックアップしてくれていることをご説明しました。
春は、新しい環境に身を置くための良いチャンスです。
一方で障がいを持つ方々にとってチャレンジすることは、常に緊張や不安が伴います。
「また、傷つく結果にならないだろうか…。」みなさん一度は思われたことがあるのではないでしょうか。
一人で転職を考えたり、就活をすすめるのが不安になったら、障がい福祉サービスの力を借りて、就労移行支援の適切な支援を受けてみませんか。
きっとモノクロだった日々がカラーになり、充実した日々になるでしょう。また、一般就労だけでなく、障がい者雇用を含めて考えやすくなると思います。
みなさまが「活躍できる輝く舞台」がきっとあると思います。
2024年新年度、の今日は自分らしく働くことができるために、「2024年度障がい者雇用率、就労移行支援」をご紹介しました。
このコラムが障害者雇用率、合理的な配慮ってなんだろうと思っていたり、就労移行支援を検討しているかたへのヒントとなれば幸いです。
これからも多様性の世の中、ご自分らしく障がいと共に生きていく中の「働く」をご一緒に考えてまいります。
📢次回は4/8(月)「発達障がいと就職:どんな仕事が向いている❓」を予定しております。
またお会いできることを楽しみにしております。
就労移行支援事業所「アクセスジョブ」ではいつでも見学や無料体験を受け付けています。
ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。お待ちしております。
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