コラム「障がい」と「仕事」
精神障がいと仕事:精神障がいでは就職は不利❓採用される4つの方法
2024.04.15
みなさんこんにちは。
本日は精神障がいと仕事、就職活動で採用される方法を探っていきます。
時々耳にしますが、「企業側が精神障がい者を採用に踏み切れない、就職は不利❓」って本当でしょうか。
ご一緒に検証し、採用される人になりましょう!
もくじ
- 精神障がい者、就職は不利❓
- 障がい者雇用実態
- 精神障がいと採用される4つの方法
- まとめ
1.精神障がい者、就職は不利?
精神障がいにはさまざまな種類があります。
うつ 躁うつ 統合失調症 不安障がい 適応障がい パニック障害 強迫性障害がい 高次機能障がい 感覚過敏など
(先週のコラムでご紹介した「発達障がい」も精神障がいに含まれます。)
参照:厚労省精神障害(精神疾患)の特性(代表例)
症状としては以下のようなことがあげられます。
・気持ちの落ち込みや躁状態
・疲れやすい
・体調の変化が起きやすい
さて、精神障がい者は「就職は不利」て本当でしょうか❓
結論としては、採用比率でこのようになっています。
身体障がい > 知的障がい > 精神障がい
精神障がいの方よりも、身体・知的障がいのかたが採用されやすい現状があります。
背景として考えられるのは、精神障がいは表面的に困難さが見えない・わかりづらいことが挙げられます。
企業側からすると
●仕事での配慮事項がわかりにくい。
●体調が整わず仕事を休みがちになるのでばないか。
●適切なサポート体制や障がい理解の不足。
さらに精神障がい福祉手帳は2年に1度更新があります。症状が回復すると障がい者手帳保持者ではなくなり、法定雇用率が未達になってしまうのでは、との懸念があるようです。
これに関しては、お医者さまからの意見書などがあると解決しそうですね。
ともかくも、実際の障がい雇用実態の状況を確認いたしましょう。
2.障がい者雇用実態
この表は厚労省が発表した、2022年度6月時点の「障がい者雇用調査」に基づいた実態です。
●民間企業の障がい者雇用は、19年連続で過去最高を更新!
法定雇用率がアップしていき、障がい者雇用が右肩あがりで伸びています。
1976年度1.5%→2024年度は2.5%です。(グラフは2022年6月のもの)
●障がい者雇用者数 61.4万人!
内訳) 障がい種別と比率
- 身体障がい者 35.8万人 (58.3%)
- 知的障がい者 14.6万人 (23.7%)
- 精神障がい者 11.0万人 (17.9%)
精神障がい者の雇用比率は、全体の17.9%
これは、10人のうち2名満たない就職実績ということです。
精神障がいの雇用(就職者)は2006年ごろから増えていますが、
最新状況では、精神障がいと知的障がいを合わせてやっと41.6%。
(10人の内4名が精神・知的障がいで就職)
身体障がい者は58.3%と約6割を占めています。
(10人の内6名が身体障がいで就職)
これは身体障がい者は困難さが見た目でわかりやすく、職場環境調整がしやすいので採用しやすい=就職しやすいと言われています。
たしかに精神障がいは心(脳)の中のことですので、見た目でわかりにくい。困り感に気づきにくいですよね。
これってやはり、精神障がいのかたが就職に不利という事なのでしょうか❓
不利ともいえそうですが、仕事の受容と供給のバランスに課題があることは確かです。
次に「働きたい」ニーズを見ていきましょう。
ハローワークの職業紹介状況(就職件数)が以下の資料です。
右側の円グラフを見ていただくとわかるように、
精神障がいの方へハローワークが仕事を紹介をした割合は、全体の47.7%、約半分です。
左側の図、平成23年度が31.7%ですから、10年間で16ポイントあがっていますね!
法定雇用率アップで障がい者求人が増えたこと、精神障がいのかたの「働きたい」気持ちがあることがわかります。
要望はあるのに、実際の採用比率17.9%は低い、といえます。
精神障がいみなさまの「働きたい」気持ち、大切にしたいですよね。
今後精神障がい者の採用率アップのためには、国、企業、障がい福祉サービス、ハローワーク、などが検討を重ね、社会的な可能性を模索していくことでしょう。
参考:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/001076366.pdf (2022年6月時点のもの)
3.精神障がいと採用される4つの方法
障害者雇用は国の取り組みとして進んでいるものの、精神障がいの方の割合は全体の17.9%、約2割にも満たない実態がわかりましたね。
受容と供給のバランスも課題ですが、採用されるためにどうしたらよいでしょう。
そこで本題の「精神障がいと採用される4つの方法」をご紹介します。
【採用される4つの方法】
- 障がいを正しく理解する
- 仕事への貢献を明確にする
- ストレス管理(休まない身体づくり)
- 強みを活かす
これまでの経験からわたしなりに4つピックアップしました。
早速これらをみていきましょう。
1.障がいを正しく理解する
まず最初に、自分自身をよく理解しましょう。
いまの障がい状態や限界を正しくに認識すること。体調不良時には、セルフケアができる人が求められます。
これらを採用面接時や就職後、職場に伝えることができるようになることも大切です。
2.仕事への貢献を明確にする
仕事においてどのように自分が成長したいか、どのように仕事で貢献できるかを明確にしておきましょう。
企業は働く意欲が継続してあることや、主体的に仕事ができるのか、を見ています。
事前に求人票などで仕事内容を把握し、「わたしは○○でこのように貢献できます」と言えたらよいですね。
また、仕事は与えられるばかりでなく、自発的な学ぶ姿勢が問われます。
そのような志が垣間見れる人だと、採用担当者が「一緒に働きたい」と思うことでしょう。
3.ストレス管理 (仕事を休まない身体づくり)
精神障がいを持つ方にとってストレスは大きな影響を与える要因です。
一方で企業は仕事を休まない人を求めています。
自己管理の一環として、ストレス対処法を身につけておきましょう。定期的にリラックスできる趣味の時間を確保します。
日頃から疲れやすい身体をしっかり休める方法を知っておくとよいですね。就職した際も仕事を継続、モチベーションを保ち続けることができます。
4.強みを活かす
精神障がいを持っているからといって、それだけで弱点とは限りません。むしろ、精神障がいから生まれる独自の視点や柔軟性、感受性、忍耐力など、他の人にはない強みをもっています。
もちろんこれまでの経験、資格、キャリアも強みです。
強みは、履歴書の自己PR欄に箇条書きをする、採用面接の際は具体例をいれながらしっかり伝えましょう。採用面接練習は何度も行い、場慣れしておくことをおススメします。
発想を転換すると、
精神障がい者が魅力的で活躍できる人であることへの理解、雇用する上での不安点が解消されれば、採用に至るのではないでしょうか。
それにはいかに、採用担当者から「会ってみたい!一緒に働きたい!」と印象づけれるか、が鍵です。
4.まとめ
精神障がいの方の「働きたい気持ち」に応えるには、もっと社会的な理解が必要です。また、「採用される人」になる方法を知っておくと同じ条件の方と並んだときに優位です。
精神障がいの方の就職活動で、企業から採用される方法をまとめると以下4つです。
【精神障がいと採用される4つの方法】
- 障がいや限界を正しく認識する
- 仕事への貢献を明確にする
- ストレス管理 (仕事を休まない身体づくり)
- 強みを活かす
いってみれば、企業が求める人材像ともなるのですが、その中に自分らしさを加えてみます。
この春4月から合理的な配慮が義務化され、職場環境調整をしてもらいやすくなりました。
採用されにくい=就職は不利 ととらえず、いかにご自分をプレゼンテーションできるかへ発想を転換してみましょう。
障がい者雇用求人でも、一般就職でも同じです。業務遂行力をを明確にすると採用者の目に留まり「一緒に働きたい!」と印象付けることが出来そうです。
精神障がいゆえの広い視点や柔軟性、感受性、優しさ、忍耐力を強みとしてくださいね。
そのために意識できることからはじめてみませんか。
精神障がいがあるみなさまの就職活動、ご活躍を応援しています。
これからも多様性の世の中、ご一緒に自分らしく障がいと共に生きていく中の「働く」を考えてまいります。
筆者プロフィール
監修 Macco.Matsuzaki
- 経歴 就労系障がい福祉サービス歴16年 就労継続支援A型B型 就労移行支援 管理者・サービス管理責任者 / 人事採用担当 / 就職のサポート/販売ルート促進
- 所属 株式会社クラ・ゼミ 福祉部門就労移行支援事業企画
- 資格 産業カウンセラー/サービス管理責任者
📢 次回は4/22(月)「難病と仕事」について掲載予定です。
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