コラム「障がい」と「仕事」
【障がいと仕事】転職時の在宅ワーク(テレワーク)求人の選び方
2024.12.16
みなさま こんにちは。
障がいやご病気と向き合う中、仕事を探したり転職を考えるときに「在宅ワークを希望したい!」と思ったことはありませんか?
今回は障がいや特性のあるかた向けに、障がい者雇用で在宅ワーク(テレワーク)への転職のポイントや仕事(求人)の選び方を深堀りしていきます!
早速ご一緒にみていきましょう。
1.在宅ワーク(テレワーク)就労の仕事内容は❓
在宅ワークはテレワークともいいます。
テレワーク とは「tele=離れたところで」と「work=働く」 をあわせた言葉です。
2020年3月、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、在宅ワーク(テレワーク)就労が急速に普及しました。これは3密回避として、国が人と距離を保つ働き方、在宅ワーク(テレワーク)を推奨したためです。
その後も新しい働き方として、在宅ワーク(テレワーク)就労を継続している企業があります。
転職サイトやハローワーク求人で在宅ワーク(テレワーク)の仕事を探す際、どのような職種、仕事内容があるのか見てみましょう。
【在宅ワーク(テレワーク)就労 仕事例】
- 一般事務・OA事務
- パソコンでデータ入力や文字起こし:事務作業
- システムエンジニア(SE)
- Webマーケティング
- プログラマー
- Webデザイナー
- イラストレーター
- Webライター
- Web編集
- ホームページ制作
- 電話オペレーター
- 動画編集
- 企画職
- 設計(CAD)
- 翻訳
このような仕事がありました。
障がい者雇用で転職するなら「在宅ワーク(テレワーク )を希望したい!」と思われた方、「すぐ転職できそう!」と感じた仕事がありましたでしょうか❓
すでにご経験がある仕事は候補にあがりそうですよね。
お気づきかと思いますが、在宅ワーク(テレワーク)ではパソコンを使った仕事が多くありました。
店舗での販売や製造業、医療・福祉・介護職は人と関わる対面の仕事となりますので、在宅ワーク(テレワーク)にはなりにくいようですね。
内職の在宅ワーク以外は、パソコンのスキルとインターネットの環境が必須となりそうです。
【在宅ワーク(テレワーク)就労の傾向】
さて、こちらのグラフは2020年~2024年の全国の企業における「テレワーク実施率」です。
グラフは正社員ベース。
障がい当時者のみをとりあげたものではないのですが、2020年3月~9回調査されています。
2024年7月時点の在宅ワーク(テレワーク)の実施率は正規雇用社員で22.6%でした。現在は新型コロナウイルスが5類に引き下げられましたが、前年同期2023年7月と比べると0.4ポイント増加⤴しています。
このことから在宅ワーク(テレワーク)就労がこれからの働きかたとして定着する傾向になりつつことがわかります💡
引用 出典:第9回・テレワークに関する調査 パーソル総合研究所
きっと障がい者雇用求人でも当てはまることがあるでしょう。
在宅ワーク(テレワーク)は、特性や障がいのある方が初めて仕事探すときや、転職を考える際に新しい選択肢が増える事になります。
障がい福祉サービスの中で仕事をしているわたしは、心の中で「いいぞ!」と思いました。
2.在宅ワーク(テレワーク)へ転職するきっかけ
障がい者雇用での在宅ワークの仕事の種類と、これから先も在宅ワーク(テレワーク)が働き方として定着するであろうことを確認しました。
【転職時に在宅ワーク(テレワーク)を選ぶきっかけ】
では、障がい特性やご病気があるかたが「在宅ワーク(テレワーク)を希望したい!」、「在宅ワークの仕事に転職したい!」と思うきっかけは何なのでしょう❓
例として)
- 障がい特性の為、会社内で仕事が難しい(進行性の病気や医療的ケアのため)
- 通勤時間の短縮
- 一人で仕事をしたい(コミュニケーションが苦手)
- 子育てや介護と仕事の両立
などがあげられるようです。
障がいがある方の困難さや特性はさまざまです。
例えば、精神障がいの一つである「統合失調症」で人の視線が怖い、「パニック障がい」で電車に乗ることが困難である方。
環境になじみにくい「適応障がい」の方、進行性難病の「筋ジストロフィー」である方にとって、在宅ワーク(テレワーク)はチャレンジしたい働き方と思われます。
発達障がいゆえに、人間関係でなぜかいつも上手くいかない方にとっても「在宅ワークだったら!」と新しい可能性を求める場合もあるかもしれませんね。
また、育児や親の介護で在宅ワーク(テレワーク)を希望する方もいらしゃいます。障がいやご病気をもちつつ、仕事をし育児や介護をする…本当に頭が下がります。
【社会モデル:障がい者への仕事における環境調整】
先述しましたように新型コロナウイルスがパンデミックを生み出した2020年以降、転職サイトやハローワークで在宅ワーク(テレワーク)のや障がい者雇用求人をみかけることが多くなりました。
障がい特性ゆえに自宅から出る事が困難なかたや、進行性のご病気の方への就労や転職が、在宅ワーク(テレワーク)で叶えば嬉しいですね。
言い換えると在宅ワーク(テレワーク)就労は、障がいがある方の「働きたい・仕事がほしい」想いを叶えること、人権を守ることに繋がります。
困難なことについて、障がい当事者のみで何とかしなければいけないという個人モデルから、社会モデルへ。
障がいのある方が豊かな生活を送れるように「仕事」というカテゴリーで社会が環境を調整していく。
このように多様性を認め合えるような世の中へ変化しています。
企業が合理的な配慮として障がい特性に合わせた仕事の切り出しや、働き方の提供をしてくれるようになったこと、大きな意味がありますね。
3.在宅ワークで求められる環境とスキル
一方で障がい者雇用での在宅ワーク(テレワーク)就労では、ひとりで仕事を行うが前提となります。
【在宅ワーク(テレワーク)就労の困り感や難しさ】
一方で転職後、在宅ワーク(テレワーク)だからこその難しさがあるようです。
以下は厚労省が調査した在宅ワーク(テレワーク)課題ををご紹介いたします。
例として)
- 仕事とプライベートの区別がつきにくい
- 運動不足を感じる
- 上司、同僚とコミュニケーションがとりにくい(サポート体制)
- 仕事の経緯を適正に評価されるのか不安
このような側面があるようです。
対面の仕事でない、在宅ワークではオンラインならではのこれらの困り感があるのですね。
障がい者雇用でかつ、在宅ワーク(テレワーク)求人を探すご参考になればと思います。
参考・引用 厚労省 テレワークを巡る現状について
【在宅ワークで求められる環境とスキル】
求められる環境やスキルは、先でご紹介した在宅ワーク(テレワーク)の困り感を解決できる事が鍵となるようです。
これらの鍵をまとめると以下のようになりました。
【障がい者求人の在宅ワークで求められる環境とスキル】
- 基本的なパソコン操作とインターネット環境がある
- 体調不良時の対応ができる(緊急時の対応)
- 自己発信ができる(困ったときや、報告連絡相談)
- 電話やICTオンラインツールを使える
- 時間の管理ができる(休憩・過重労働の防止)
- 適切な運動を取り入れる
対面と違った形のコミュニケーション手段として、テレビ電話のようなICTツール(zoomやteams)を使う場面もあるでしょう。練習しておくと企業面接での印象UP⤴です。
また、障がい特性として、頑張りすぎてしまう方や過集中になりやすい方は、適切な休憩を取り入れたり、就業時間あとも仕事をしすぎないよう気を付けたいですね。
せっかくの障がい者雇用求人のなかですから、健康を維持しつつ、在宅ワーク(テレワーク)をしていきたいものです。
3.求人の選び方や転職サイトを見るときのポイント
障がい者雇用で在宅ワークで求められる環境やスキルを確認しました。
それでは在宅ワーク(テレワーク)を選ぶ際に、求人票や転職サイトを見るポイントを確認しましょう。
【在宅ワーク(テレワーク)求人票を見る5つのポイント】
①雇用形態
今お手元にある求人票は障がい者求人、または一般就労の求人でしょうか❓
雇用形態は正社員、契約社員、パートでしょうか❓(下の写真のように記載があります)
おおむね3か月~6ヶ月の、使用期間(有期雇用期間)がどれくらいのなのかも合わせてチェックしたいところです。
また、契約社員やパートの場合、正社員へステップアップできるのかも確認しておきましょう💡
②勤務時間とお給料
●勤務時間
求人票にフルタイムと書いてあれば、一般的に8時間の仕事が多いかと思います。
時給の場合、月の合計勤務時間や出勤日数を計算し、給料がどれくらいになるのかを出してみます。求人票に示されている勤務時間で生活が十分なのかを確認しましょう。
●給料
お給料は3つにわけられます。
- 時給制:働いた時間分、お給料をいただく
- 日給月給:働く日にち分、お給料をいただく
- 固定月給:毎月決まった額のお給料をいただく
求人票でどれにあたるのかを確認しておきましょう。
固定月給でしたら、毎月の収入が変わることがなく生活の見通しが立ちますので安心ですね。
③年間休日、社会保険など
●年間休日
求人票では、年間休日も確認しましょう。長く働く事を想定し、体調が整うのかをイメージします。
年間休日105日と120日では、1年間で15日の差があります。
会社によって違いますので、年間休日と給料の違いもみておくとよいと思います。
●社会保険
社会保険は、厚生年金や雇用保険、健康保険のことです。
令和6年(2024年)10月から、従業員数51人以上の企業で働くかたも社会保険の加入対象に拡大されました。
「週に20時間超える場合」や、「月額8.8万円以上」、「2か月を超える仕事の場合」等は、将来を見据えてこのような仕組みが整っている会社へ転職する、も一つの方法です。
扶養の場合、「手取りが少なくなる」という認識もありますが、得られるものもぜひお確かめくださいね。
詳しくは、政府広報オンラインの下記のリンクをご参考になさってみてください。
参照:政府広報オンライン:パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。
④企業理念
在宅ワーク(テレワーク)の仕事では、企業への帰属意識はとても重要なパワー⤴✨になります。
求人票に書いてある企業のホームページを閲覧し、社会貢献度を確認しましょう。
誰かの役に立っていることがわかると仕事のやりがいへとつながります。
就職・転職活動が進み、面接の際に企業理念をご自身に落とし込んでいると、採用担当者との受け答えがより充実したものとなることでしょう。
⑤パソコンなどの通信機器の準備
インターネット環境を整えたり、必要なパソコンや電話を企業が用意するのかを確認しておきましょう。企業が用意してくれることを知らないまま、高額パソコンを購入してしまうと不要な出費となりますから。
【転職サイトを見るときのポイント】
テレビCMでたくさんの転職サイトをみかけます。みなさまも仕事を探す際、スマートフォンやパソコンなどで転職サイトを見る方も多いと思います。
転職サイトを見るときのポイントはどのようなものがあるでしょうか。
●求人数の量
求人数の量=掲載仕事量となります。ハローワークと連携している転職サイトもありますね。
インターネットで求人や転職サイトを見る際は「在宅ワーク(テレワーク)」に絞り、求人量を比較検討してみましょう。
●年齢に応じた転職サイトであるか
おおまかに、掲載の仕事が年齢で分かれている求人転職サイトがあります。ご自身の年齢に近い幅の転職サイトで求人を探す、という方法もありですね!
●「転職エージェント型(転職エージェント)」と「求人広告型(転職サイト)」がある
「転職エージェント」サイトは、ご自身の要望に近い求人や仕事を提案してくれます。
「求人広告型転職」サイトはご自身で求人情報を探す、ピックアップする、という違いがあります。
みなさまはどちらがよさそうでしょうか❓
迷うときは口コミを参考にしたり、気になる転職サイトを2つほど比較しながら求人情報を見てよいかもしれませんね。
完全在宅の仕事ならご自身のお住まい近くだけでなく、全国の情報を集めてみませんか。さらに間口が広がることでしょう。
4.転職時在宅ワーク(テレワーク)が向いているタイプ
さて、ここまで障がい特性のある皆さまとご一緒に、仕事を探す際の求人票の見方や、転職サイトで在宅ワーク(テレワーク)を探す際のポイントを見てきました。
最後に、どのようなタイプの方が在宅ワーク(テレワーク)にむいているのでしょうか。
在宅ワークはひとりで行う仕事のため、「会社からは実態が見えにくい」という側面があります。
ご自分を律する必要があり、仕事へのモチベーション維持の工夫と集中しすぎて過重労働になりませんよう、時間を規則正しく整えることも大切でした。
もうひとつ、対面仕事との大きな違いですが、周囲とのコミュニケーションが乏しくなり、困ったときにすぐやり取りでないこともあるでしょう。
障がい当事者の方の中には、それが仕事の進捗での焦りや、ストレスとなることがあるかもしれません。
コーヒーを飲む、顔を洗うなど、仕事中の「一息つく方法」や「ストレス解消法」をご自分の中でもっているとよいですね。
これらのことから
在宅ワーク(テレワーク)就労が向いているタイプは…
- 体調が整っている。(服薬や自己管理)
- 時間の管理ができる(過重労働防止・プライベート時間の確保)
- ストレス解消の手段がある。
- 自己発信ができる。(報告連絡相談)
- 求められるパソコンスキルがある
となりそうです。
みなさまはこの中でいくつ該当しそうでしょうか。
在宅ワーク転職時のまとめ
ここまで、障がいや特性がある方へ「在宅ワーク(テレワーク)就労」の求人の選び方と転職について深堀りしてきました。
まとめとして、障がいのある方が障がい者雇用で転職する際や仕事を探すとき、「在宅ワーク(テレワーク)」だからこそ、気を付けたいポイントをおさらいします。
【在宅ワーク(テレワーク)へ転職時に気を付けたいポイント】
- パソコンのスキル、インターネット環境がある
- 仕事内容、勤務形態、お給料のバランス
- 自己発信、自己解決ができる
- 仕事のなかでのストレス解消法、メンタルヘルス対策をもっておく
- 完全在宅なら、全国の情報を集めてみる
障がいのある方が転職を考えたり仕事を探す際には、障がい福祉サービスの「就労移行支援」や「就労支援機関」を利用されることがあります。
「就労移行支援」や「就労支援機関」で自己理解が深まると、在宅ワーク(テレワーク)ではなく「やっぱり対面の仕事の方があっているかも!」と、新たな気づきを得ることがあるかもしれません。
障がい者雇用求人でもそうでないお仕事でも、ご自身の障がい特性を長所としつつ長く安心して働ける環境だとよいですね✨
「在宅ワーク(テレワーク)」就労が転職を考えたり、お仕事を探す際の一つの選択肢となりますように。
障がいや特性があるみなさまのご活躍を応援しています。
📢次回のコラムは来年1月に更新予定です。
アクセスジョブなどの就労移行支援では、働くために必要な訓練や相談が可能です。
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本日もアクセスジョブのコラムをお読みいただき、ありがとうございました✨