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【合理的配慮とは?】企業が雇用すべき障害者の割合「法定雇用率」が引き上げられるにあたり

2024.03.25

企業が雇用すべき障害者の割合「法定雇用率」が、4月から現在の2.3%から2.5%に引き上げられます。

従業員数40人以上の企業は一人以上障害者を雇わなければならない計算です。数字の達成にとどまらず、一歩踏み込んで、職場の多様性や企業力を高める一環として取り組む企業もある一方で、数字のみを追い、雇用の質が伴っていないケースも出てきているとの指摘もあります。

【障害者雇用の歩み】

日本では1976年から、一定規模以上の企業に障害者雇用が義務づけられました。そこから身体障害、知的障害、精神障害と適用の範囲は広がり、法定雇用率も引き上げられてきました。2023年度(令和5年度)、障害者雇用率を達成したのは全体の約半数。大企業ほど達成率は高くなっていますが、法定雇用率未達成企業53,963社のうち障害者を一人も雇用していない企業は31,643社もあり、未達成企業の58.6%を占めている状況です。

棒グラフ

法定雇用率は今後も引き上げられることが決定していますが、数字ありきで障害者雇用を進めてしまうと、障害者雇用は上手くいかないでしょう。

障害者雇用では『合理的配慮』という言葉がよく用いられます。

【合理的配慮とは?】

オフィスの写真

合理的配慮とは、障害を持つ方が自分の努力ではどうしても克服できない課題があるときに、企業側に配慮を求めることを言います。

例えば、障害の特性上疲労を感じやすく、1時間に1回リフレッシュする必要がある方がいるとします。

そのリフレッシュを合理的配慮として職場に周知されていない時、どんなことが起こるでしょうか。

ただ単に「休憩が多い人」「サボる癖のある人」と捉えられて印象が悪くなってしまう恐れがあります。

「あの人が障害があることを開示したら個人情報の漏洩になるのではないか?」と考えている企業担当者も少なくないようです。

しかし、障害を開示されないことで合理的配慮が得られない方が、働く側にとってはデメリットになることもあるのです。

【障害者雇用が当たり前になる社会に】

人物いろいろ

物理的なバリアフリーだけが障害者雇用の受け入れ態勢の整備ではない事に着目する必要があります。

業務の切り出しに関しても「どう準備して良いか分からない」という企業担当者の声もよく聞かれます。

これも仕事ありきで進めるのではなく、働く人が「何が出来るか」を考えて業務を作り出していく事が必要です。

興味のないものを与えられてやるよりも、やりがいを持って出来る事をしたほうが仕事は長続きします。

また、ある企業で障害のある方を指導することになった担当の方から、こんな話を聞いたことがあります。

順調に仕事をしていたと思っていた障害者雇用の社員が急に休むようになった。
特に労働時間が長いわけでもなく、仕事にミスがあったわけでもない。
やっとのことで連絡がつき、ようやく休むようになった原因を聞くことができたが、当事者の方から出た言葉は「仕事の評価をされるのがストレスだった」というものでした。
会社では評価されることが当たり前だと思っていた担当者の方でしたが、人によってはそれが負担になるのだと知ったそうです。

その後、仕事の評価の無い業務を準備したところ、その社員はまた活き活きと働くようになったそうです。

障害者が働きやすい仕事を選ぶことや、働きやすい環境を作るだけでなく、働く質にも注目する必要があります。

そして何より、自分らしく働くという事は自分らしく生きる事にもつながります。

障害のあるなしに関わらず、自分らしく生きるという事はこれからの時代のニーズでもあります。

障害者雇用を行う企業側もノウハウを蓄積する必要があります。

アクセスジョブ仙台では障害のある方のサポートはもちろん、障害者雇用を考えている企業の方の相談も承っております。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

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