コラム「障がい」と「仕事」

契約社員とアルバイト

2023.12.11

皆さま、こんにちは。
わたしは障がいがあるかたの就労サポートをしているYと申します。
12月のコラムは「働きかたは一つじゃない」をテーマに様々な「働き方」についてご案内しています。今回は「契約社員とアルバイト」に関するコラムをお送りします。

雇用形態について

このコラムを読んでいただいている就職活動中の皆さまは、お仕事する事が初めての方や、体調を整える為に少し休んでおられて、久しぶりに働くことを目指そう、という方がいらっしゃると思います。
働き方は様々ですが、皆さまは「正社員」を目指して活動中でしょうか。

雇用形態には「正社員」の他にも、「契約社員」や「アルバイト・パート」があることはご存じですか❓
働く事を考えた時に真っ先に思い浮かぶ雇用形態が「正社員」の方は多くいらっしゃるかと思います。一方で働きやすい環境は人それぞれ。

例えばご病気のこと、ご家族のこと、お子さまのことを考え、雇用形態を変える事によって働きやすくなるのであれば、正社員にこだわらず選択肢を広げてみるのも一つの方法かもしれません。

今回は「契約社員」と「アルバイト・パート」の2つの雇用形態を正社員と比較しながらご説明します。

契約社員と正社員の違いとは?

契約社員の大きな特徴は、労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている「有期労働契約」であるという点です。
正社員が「無期雇用」で期限なく働けるケースが多い中、契約社員は最長3年で契約期間満了のタイミングが訪れます。

ただし、期間満了=退職というわけではなく、契約の更新を行い働き続けることも可能です。
更新を繰り返し、同一企業での勤務年数が5年を超えた場合には正社員と同様に「無期雇用」へ切り替える事も可能です。

また、給与に関しても正社員と契約社員では違いがあります。

正社員と契約社員は同一労働同一賃金という考え方はありますが、契約社員では賞与が出ないケースや、契約期間中は昇進昇級がないため収入が上がりにくいという面があるようです。
勤務条件は大きく差はありませんが、契約によっては正社員とは違い「週4勤務」や「時短勤務」となることもあります。

原則、異動や転勤などがなく、契約時に指定された勤務地で働き続けられる点は、ご家族への配慮や、環境が変わることが苦手とする方には安心が出来ますね。

契約社員のメリットとデメリット

●契約社員のメリット

契約社員の大きなメリットは「契約内容で雇用期間内働くことが出来る」点です。
正社員として働いていく場合、残業があったり、年数や経験を積み上げていくと求人内容と異なる業務を任されたり、勤務先から配属先異動の打診をうけるケースもあります。
それは、個人の実績や能力を評価され、嬉しいことではあるのですが、一方で正社員だからと自分の中で無理をしてしまう、悩みを抱え込んでしまう、体調を悪化させてしまう、こともあるようです。
契約社員の場合は、業務内容や勤務条件は雇用期間内でおおむね変更なく働く事が出来るため、環境の変化が苦手な方には向いているかもしれません。

また、契約期間内で別の仕事も試したいな、と思った際は今の仕事を期間満了で終了することができます。

給与についても雇用期間内では変更はありませんが、更新の際に条件の見直しが行われ、その際に昇給となることもあるため、契約社員は全く給与が上がらないわけではないようです。

いずれも、有期雇用契約を結ぶ際に、契約書の内容をしっかり確認するとよいでしょう。

●契約社員のデメリット

では、契約社員のデメリットは何でしょうか。

一つは「有期雇用である」点です。
契約更新をし、同一の職場で継続して勤務する事も出来ますが、企業側が更新を希望しない場合にはそこで満了となり、次の職場を探さなければなりません。
そしてもう一つ大きな点は「昇給や昇進がない」ことです。

先ほども述べたように全く昇給の機会がないわけではありませんが、正社員と比べると給与は上がりにくいようです。
一家を支える為や、お子様の教育資金、自分の趣味の為、理由はさまざまありますが、たくさん稼ぎたいと思っている方にはそこが大きなデメリットとなりそうですね。

アルバイト・パートと正社員の違いとは?

一般的にパート、アルバイトと呼ばれる雇用形態は「パートタイム労働者・短時間労働者」といいます。
正社員と比べて一週間の労働時間が短い働き方のため、体力的にフルタイム勤務に不安がある方はまずパート・アルバイトから働き始めるのもいいかもしれません。
勤務時間が短いため正社員よりも収入面は低くなりますが、条件によっては社会保険や有給休暇の取得などの正社員と待遇面で大きな差がなく働けるケースもあります。
パートタイム労働法の中で昇給や退職手当についてしっかりと書く事が義務付けられていますので、しっかりとチェックを行うようにしましょう。

アルバイト・パートの契約期間

パート・アルバイトにも契約社員と同様に雇用期限が存在します。

契約期間が満了となっても、更新をすることで同一の職場で継続して働いていける点も同様です。
契約社員の契約期間が一年のケースが多い中、パート・アルバイトでは三ヵ月や六ヵ月の短い契約期間となることも多いです。

中には一週間という短期バイトもあり、お祭りやイベントが開催される一日、二日だけ働くようなアルバイトもあります。

契約期間の短さは決してデメリットではなく、週1の勤務や午前のみ午後のみのような働き方も出来るため、受診日や、自分の時間を十分に確保しながら働く事が出来ます。
また、複数のパート・アルバイトを掛け持ちする事もできるため、一社あたりの労働時間は少なくても複数掛け持ちをすることで収入を増やしていく事も可能です。
職場の人間関係に不安がある方は、最初から正社員として働いていくよりもパート・アルバイトでいくつかの職場を見ていきながら、自分に合った職場を探して有期雇用から無期雇用を目指していくのもいいかもしれませんね。

●注意点

注意していただきたいのは、時給と労働内容が見合っているかを見定める必要があります。
スマートホンの中で求人情報をたくさんつかむことが出来る世の中になりました。
ニュースで見かけますが、知らないうちに詐欺グループの役割を担っていたなど、ご自身がなにも知らずに騙されてしまうこともあります。
短時間でたくさん稼ぎたいと思って、高時給の求人に不用意に個人情報登録をしないようにいたしましょう。

どうかな、と思った際はどなたかに相談してみるとよいかもしれませんね。

【優先したいものはなにか?】まとめ

今回は「契約社員」と「アルバイト・パート」の2つの雇用形態を正社員と比較しながらご説明してきました。
正社員、契約社員、パート・アルバイトの違いは見えてきましたでしょうか❓
以前は終身雇用という考え方がありましたが、今は正社員でも転職をする人が少なくはありません。

契約上は期限がなくても、定年まで正社員として入社した会社に勤めていくかはわからない世の中になっているのも事実です。
実際に私も新卒で入社した会社を辞め、今の仕事に就いています。

新卒の際、社長からの「この先定年まで働くにしても、途中で転職をするにしても、この会社で社会人の基礎を学んで社会に出て行ってほしい」という言葉は今思えば時代に合った柔軟な考え方だったように思います。
人それぞれ働きやすい職場環境が異なるように、自身の希望に合う雇用形態も異なっているなかでみなさまの中で一番優先したいものは何でしょう。
収入(お金)でしょうか、自分や家族の時間でしょうか、自身のスキルアップ、将来の安定でしょうか。

心身の健康でもあるかと思います。
自分の望みは、働く理由でもあります。

職業適性や自身の強みや弱みだけではなく、“働く上で私は何を重視したいのか”についても是非考えて、就職活動に挑んでいきましょう❗

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📢次回は12/18(月)「生活に必要なお金っていくら?」について掲載予定です

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