コラム「障がい」と「仕事」
【障がいと仕事:五月病】予防と対策 今日からできること
2024.04.29
はじめまして。
今月からアクセスジョブのコラムを担当することになりました、定着支援員兼ジョブコーチの
「やや」です。
いよいよゴールデンウィーク✨と気持ちが上がる時期ですが、同時に毎年この時期になると「五月病」の話題も多いですよね。春のこの時期に、皆さまこんなご経験はありませんか?
- 仕事や学校に行きたくない
- よく眠れないし食欲もない
- 気持ちがどんより沈む
- 何もやりたくない
- なんとなく不安
などなど…
五月病は、正式な病名ではありませんが、春から初夏にかけての時期に精神的な不調を感じる症状のことを指します。精神的な不調というのは、例えば抑うつ感やイライラ、疲労感、集中力や意欲の低下などで、上記のような状態ももちろん該当します。
五月病の原因は、一般的にはこの時期特有の気候の変化や、4月からの環境変化であると言われています。そんなことが原因では、五月病を避けようがない!と思ってしまいそうですが、そんなことはありません!
安心してこの時期を乗り切るために、五月病と思われる症状が現れた場合の対処法と、日ごろからできる予防方法をご紹介します。
1.五月病の原因
原因を探る前に、筆者の昔話で恐縮ですが、新入社員のころ、研修を終えて仕事が始まった4月は、とにかく緊張の毎日を過ごしました。連休は思い切り羽を伸ばして休日を満喫したものの、連休明けの日常が頭をよぎると、それはそれは大きなストレスを感じ、憂うつになりました。今思えば、これは五月病の症状だったのかもしれません。
皆さんもご自身の経験を思い出しながら、一緒に五月病の要因を考えてみましょう。
①気候の変化
春から初夏にかけての気候の変化は、体内時計やホルモンのバランスに影響を与えます。特に急激な気温の変化や湿度の上昇は、身体への負担とストレスを増加させる要因となります。
気圧に変化があると頭痛がする、というかたも多いのではないでしょうか。これは「天気痛」と呼ばれ、気候の変化による自律神経の乱れが原因で起きると言われています。
また、春先に太陽の光が増えることで、気分が高揚しやすくなるという場合があったり、逆に不調を引き起こす人もいるそうです。
四季があることは日本の特徴であり、四季折々の景観は日本の良さと言われていますが、気候の変化が私たちの心身に影響を及ぼしているのもまた事実なのですね。
②新しい環境への適応
新年度や新学期、就職、転職、部署異動など、新しい環境に適応するために感じるストレスも、五月病の原因のひとつです。慣れない場所に身を置くのは緊張しますし、落ち着かないですよね。知らない人と気を使って話をしたり、新しい人間関係を作っていくのも精神的にけっこうな負担がかかります。
③新たな目標へのプレッシャーや理想とのギャップ
新年度の始まりは、どこも「新しい目標に向けて動き出そう!」という雰囲気に包まれる時期です。しかしその目標があること自体がプレッシャーになってしまうことがあります。
周囲の期待に応えようとして、かんばりすぎてしまう、という人も少なくありません。その結果、疲労やストレスが蓄積され、精神的な不調として現れることがあります。
先を考えるうちに、希望よりも不安感の方が大きくなってしまうこともあります。「この場所で自分はやっていけるのか」「親しくなれそうな人は見つかるか」などの不安がふくらみ、気持ちが落ち込んでしまいます。真面目な人ほど、そういった思考になりやすいかもしれません。
新たな環境が、自分が想像していたものと違うという現実に直面し、悩みを抱えてしまうのも、この時期ならではのことでしょう。
「思ったより仕事が大変」「職場になじめない」など、自分が思い描いていた理想と現実のギャップにストレスを感じ、そこから不調に陥ってしまうこともあります。
…上記のような要因が組み合わさって、五月病の症状が引き起こされると考えられています。
ただし、五月病は個人によって感じ方や症状の程度が異なります。そしてすべての人に症状が現れるとは限りません。例えばどんな人が五月病になりやすいのでしょうか。
2.五月病になりやすいのはこんなタイプ
- 他人に気を遣いすぎる
- 自分のことを後回しにしがち
- 相談や愚痴をこぼす相手がいない
- 完璧主義
- 変化に慣れるのに時間がかかる
- 空気を読み過ぎる
など・・・
こういった傾向のあるかたは、特にこの時期はご自分の体調に気を付ける必要がありそうですね。
3.五月病になったときの対処法
では、五月病の症状が現れたら、どのように対処したらいいのでしょうか。
①とにかく休む
五月病の症状が現れたら、適度な休息とリフレッシュをします。仕事や勉強のスケジュールを調整したり、他の人に代わってもらうなどの相談をしましょう。休息の時間をしっかりと確保し、疲れをとることを優先させます。
②生活を見直す:睡眠、食事、運動
特に睡眠は、心身の回復の基本です。
睡眠の質を上げることによって、成長ホルモンが多く分泌され疲労の回復につながります。しっかりと睡眠がとれると自律神経も整ってくるため、身体を最適な状態に保つことができ、結果としてストレスが軽減されます。
食事もメンタルに影響するといわれています。ビタミン、ミネラル、タンパク質をバランスよくとりましょう。朝食を抜いたり、深夜に食べ過ぎたりするのも控えた方がよいでしょう。
当然、適度な運動も必要です。
ウォーキング、軽めのジョギングやサイクリングなど、軽めの運動を継続することが大切です。適度な運動により、睡眠の質はよりよくなりますし、身体を動かすことによるリフレッシュ効果も期待できます。
外出が難しい場合は、ストレッチやヨガなど、動画を見ながら一緒におこなってみるのもいいですね。
③リラックス方法の実践
呼吸法やマインドフルネス、瞑想など、さまざまなリラックス方法があります。ご自分に合うものをぜひ取り入れてみてください。
例えばアロマテラピーは、リラックス効果のあるオイルを使うのはもちろんですが、シンプルに好きな香りを選んでもいいのではないでしょうか。
ちなみに筆者はバニラの香りに幸せを感じます。ストレスでモヤモヤしてしまう時でも、バニラの香りで穏やかな気持ちになれます。
「呼吸法」はシンプルで道具もいらないので、特に日常生活に取り入れやすいリラックス方法です。人はストレスがたまると呼吸が浅くなると言われますので、意識して深い呼吸を何度かするだけでも、身体から力が抜けて心が軽くなったりします。
④人と話す
人と話すことに抵抗がなければ、ぜひ家族や友人、身近な人と話をしましょう。「話す」は「離す」とも言われ、言葉にして出すことで、自分から切り離して考えることができます。話を聞いてもらうことで安心感や解放感が得られ、気持ちの切り替えもできます。
話を聞いてもらえそうな人が見つからない、というかたは、福祉施設や精神保健センターなど、地域のネットワークやサポートグループに参加するのも一つです。可能であればカウンセリングや専門家との相談も効果的です。問題を解決するための具体的なアドバイスを得ることができます。
⑤書き出す
精神的につらいときは視野が狭くなりがちで、問題の原因や改善方法に気づきにくくなっています。文字にして書くという行為は心を落ち着かせることができるうえに、書き出したものを整理することもできます。
例えば「事実」と「感情」を分ける、「自分でどうにかなること」「ならないこと」を分けるなどです。書き出すことによって考えるべきことが絞り込まれ、逆に「考えなくてもいいことは考えない」というふうに、悩みを小さくすることもできます。
ただし、自分と向き合いすぎて悩みを深めないように気を付けてくださいね。カウンセリングや専門家との相談の際に、書き出したものを持参すると、話がしやすくなるのでおすすめです。
4.五月病の予防法
そんなやっかいな五月病を予防するには、どうしたらいいでしょうか。
①自分のペースを把握し、それを維持する
自分のペースや、頑張りのきくライン、キャパシティーを把握することはとても大切です。そのうえで「無理をしない」「がんばりすぎない」を心がけ、適度な休憩をとり疲労をためないようにしましょう。
②健康的な生活習慣を心がける
睡眠、食事、運動は、体調管理の基本です。これらが整うと、精神的な安定にもつながります。
③趣味などで気分転換
ストレスとうまく付き合うことも必要です。様々なリラックス方法で心身を癒すとともに、趣味や興味のある活動に参加してリフレッシュすることも大切です。
基本的に、症状への対処法と同じではあります。日ごろから意識することで、心身の不調を予防することになり、体調の安定につながっていきます。
みなさま、本日のコラム、いかがでしたか?
不調を感じたら、「五月病なんてよくあること!様子を見ておけば大丈夫」と軽視せず、早めの対応と適切なサポートを受け、本格的な不調にならないよう気を付けたいですね。
体調管理の難しいこの時期を、うまく乗り越えていきましょう。
▼筆者プロフィール
📢 次回は5/6(月)掲載予定です。
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