コラム「障がい」と「仕事」
【障がいと仕事】障がい者雇用で就職「仕事のお悩みを解決!」長く働く秘訣
2024.05.06
こんにちは。
障がいを持ちながら働くにあたって、長く働き続けてる人もいれば転職を繰り返す方もいらっしゃいます。
4月にご就職、障がい者雇用だったり一般就労された方、そろそろ1ヵ月がたちますね。
障がいを持ちつつ働くことは、自ら望んだ豊かな暮らしへの第一歩でもあります。
障がい者雇用で就職「仕事のお悩み」を解決!
ですが、障がい者雇用=仕事。現実はそう甘くないことがありますよね。
障がい者雇用で就職されたのち、ひとりで悩んでしまって「もう無理…仕事辞める…」と思う前に解決していきます!
1.障がい者雇用で就職-仕事のお悩み5選
障がい福祉で就労サポートをしていく中で、障がい者雇用で就職した卒業生に話を聴いてみました。その中で特に多かった仕事のお悩みがこちらです。
.【障がい者雇用で働くお悩み】
- 相談できる人がいない
- 仕事で必要以上に疲れてしまう
- 仕事でミスしたことを引きずってしまう
- 指示内容が変わって困ってしまう
- 障がいを理解してもらえていないと思う
この5つはとても多くお聞きします。
お悩みが溜まってしまい、「もう、仕事を辞めるしかない!」と思う前に解決しましょう。
2.障がい者雇用で就職-お悩み解決!秘訣も!!
障がい者雇用で働く方のお悩みを解決していきながら、「秘訣」も探っていきます!
相談できる人がいない
障がい者雇用で就職、初めての事ばかり。相談できる人にいつもそばにいてほしいですよね。
でも、そうはいかないのが現実。周知は自分の仕事で忙しくされています。
①障がい者雇用で就職後、誰に相談したらよいかわからない。
★解決!
まず、アクション!上司へたずねよう
現場の上司に「どなたに相談したらよいですか?」とたずねてみましょう。困っていることを伝えることで、相手は「困っていたんだ!」と気づくきっかけになります。
★秘訣!!
仕事の悩みは職場で解決
仕事の悩みは職場で相談すると意外とあっさり解決できることもあります。一人で抱えないように注意します。
②相談するタイミングがわからない
★解決!
ハードルを低くするたずね方「今お時間よいですか?」
忙しくしている中、相談のタイミングをはかる、難しいですね。そんな時は、「今お時間よいですか?」と声掛けしましょう。「あとでね」と言われたら、以下の秘訣を実行します。
★秘訣!!
メモを使う、都合がよい時間を聞く
メモに「相談したい(教えてほしい)」ことを箇条書きにし、まとめてたずねる工夫をします。メモはお相手の机に置くと目を通してくれるでしょう。
重要な相談ならアポイントを入れ、時間をいただきましょう。タイミングを逃してわからないまま、仕事を進めてしまった、にならないようにします。
仕事で必要以上に気を遣い疲れてしまう
★解決!
自分の仕事に集中する
よくわかります。
うつや統合失調症などの精神障がいの方は特に周囲に気を遣い、ぐったりするほどです。
障がい特性で周囲の動向が見えすぎてしまう故ですが、そんな時ほど目の前の任された自分の仕事に集中しましょう。
★秘訣!!
自分がどう思われているのか気にしなくてよい
誰かと比較したり、背伸びをする必要はありません。まずは環境に慣れましょう。精神障がいのかたは精神力と体力を消耗しやすいため、1日の中でパワーバランスを保ってくださいね。
仕事でミスしたことを引きずってしまう
「入ったばかりの職場でミスしちゃった…」障がい特性ゆえに深く悩んでしまいますよね。
★解決!
謝る心、感謝の気持ち
責任感ゆえに自分を責めていませんか?誰でもミスは起こりえます。仕事でミスした時は、きっとどなたかがフォローしてくださっています。謝る心と同時に感謝の気持ちへ比重をかけましょう。
★秘訣!!
完璧を求めず、自分を納得させる。
発明王トーマス・エジソンが「失敗は成功のもと」と言っていました。すべての経験が仕事で糧となります。どうすればミスが少なくなるかを自分の中で納得させます。完璧を求めすぎると苦しくなりますから。
指示内容が毎回違い、困ってしまう!
発達障がいの方、困り感が強くでるかもしれません。
★解決!
確認をとる
ひも解くと、その仕事には複数のやり方があるのですね。その場のリーダーに「このやり方で合っていますか?」と確認を取ると安心です。
★秘訣!!
パターン化、習得しよう!
メモをとり、次に同じ仕事を受けたときに困らないようにしておきましょう。自分の中でパターン化させます。やりやすい方法を見出し、習得することも成長のうち、仕事のうちです。
障がい者雇用なのに、障がいを理解してもらえていない
そうですね、「面接時に障がい特性を話したのに、現場で理解してもらえていない」…そういうお話よくお聞きします。
★解決!
コンプライアンス、上司のみ把握しているのかも
就職活動で伝えた障がい特性は、上司と数名の方だけが把握していることなのかもしれませんね。なぜなら障がいの詳細はデリケートな個人情報です。コンプライアンス上、全ての職員へ伝えないようにしているのだと思われます。
★秘訣!!
会話のきっかけにする
就職したての今は、企業にとっても働く人にもお互いに初めてのことばかり。障がい特性上やりづらいことは、現場で「こうしたらやりやすい」「ここまでならできそう」を改めて伝えていきましょう。「できないこと」ばかりになりすぎず、「できること」も伝えるバランスが必要です。
障がいがあってもなくても人はそれぞれ違います。ご自身が長く働くために、障がい理解をコミュニケーションのきっかけにして分かり合うことから始めてみませんか。
3.就労定着支援-障がい者雇用で長く働くための制度
障がい者雇用で働くみなさんのお悩みと解決方法をみてきました。次に「長く働く」にはどうしたらよいのでしょうか。
前提として障がい者雇用で採用した企業側も、雇用された方も思いは一緒です。
「障害者雇用枠で採用したから長く働いてほしい」=「障がい者雇用枠で就職したから長く働きたい」
ただ、障がいがある方は、環境要因のストレス耐性が弱いことがあります。今後新たな悩みが就職後1ヵ月後、3か月後、半年後…と続くかもしれません。
その解決方法として、障がい福祉サービスの就労定着支援があります。
●就労定着支援とは
就労定着支援の対象となるのは、就労移行支援や就労継続支援、自立訓練等を利用して就職後6ヶ月経過した方です。利用できる期間は最長3年間。仕事の悩みをひとりで抱えずに支援者へ相談できます。
就労定着支援の具体的なサポートは以下のとおりです。
【就労定着支援のサポート】
- 仕事の内容:障がい特性に見合っているか
- 健康状態:遅刻や欠勤につながる体調不良はないか
- 生活面:仕事に支障をきたすようなことはないか
- 就職先企業訪問:人事、担当者とやり取り
- 合理的配慮:就職先企業へ相談、依頼する
こうしてみると、とても頼もしい存在ですね。
就労定着支援は、障がい者雇用企業と障がいがある方の調整だけでなく、仕事の悩み、日常生活や社会生活上の環境変化に対応していくためのサポートも行います。
●近年の就労定着支援契約者数は?
こちらの表は厚生労働省が発表している令和4年度地域における就労定着に係る支援の実態把握に 関する調査研究の抜粋です。20ページに記載がありますが、自治体区分別で就労定着支援を希望する人は65%と増加傾向にあります。(円グラフのブルー部分)
このように障がい者の「職場定着」について増加傾向であることがわかります。これは障がい者の「長く働きたい」ニーズとも言えますし、就職後に課題があるとも言えます。
この課題を解決をしてくれるのが、就労定着支援なのですね。障がい者雇用をしている企業も就労定着支援が間に入ってくれることは、問題解決がスムーズにいくので助かることでしょう。
実施機関は障がい福祉サービスの就労移行支援や就労・生活支援センターが行っています。
「就労定着支援」や「就労・生活支援センター」を上手に利用しつつ、長くお仕事ができるとよいですね。
4.障がい者雇用で長く働く秘訣は?
職場定着をサポートしてくれる福祉サービスで「就労定着支援」をご紹介しました。
実際、障がいがありつつ長く働いている人は、何か秘訣があるのでしょうか❓
意識すると仕事の中でできそうな事が、4つありましたのでご一緒にみていきましょう。
秘訣① 気持ちのよい挨拶、感謝の心がある。
「挨拶は基本でしょ」と言われそうですが、働く際に最も大切にしたいことです。
気持ちの良い挨拶は自分から、笑顔で行うとよいですね。また、常に感謝の気持ちを忘れないようにします。
仕事は一人で成果を上げることは難しく、仲間と共同で行います。知らないうちに助けられている、という事を知っている人は何事にも感謝できます。
秘訣② 素直に受け入れる
職場でアドバイスをもらった際は素直に受けいれましょう。上司は成長してほしい人に対してアドバイスをします。障がい者だからと垣根を作っていない証拠ですね。
自分の考えに固執せず、素直に「よし、やってみよう」とプラス思考で受け入れられる人は、成長速度が速く、充実しながら長く働けるでしょう。新しい考え方を得ることで柔軟に仕事ができそうです。
褒められた時も素直に「ありがとうございます」と伝えます。素直な人は印象が良く、人間関係もストレスなく円滑になっていきますよ。
秘訣③ 報連相を行う
報連相とは、報告、連絡、相談のこと。
就職先でこれらを実行していくと、信頼される存在になります。
●報告
「あの件、どうなっている?」と確認が来る前に、報告する事を意識します。 また、仕事で失敗したときにもきちんと報告できる人になりましょう。隠さず報告することで「信頼できる人」となりますし、改善のアドバイスをもらうことができます。
●連絡
大切な連絡事項は、その場にいなかった人へ共有しましょう。同じ意識で仕事を進めていけますし、相手に喜ばれます。自分一人が知っている、ではない状態をつくります。
●相談
仕事で困ったときは、早めに相談します。その後どうなったかを必ず報告しましょう。相談と報告はセットだと思ってくださいね。
報連相をしっかり行えると、苦手だったコミュニケーションが次第にとれていることに気が付きます。常に自分を成長できると仕事が楽しくなり、長く働く意味を見出すことができます。
秘訣④ 職場が「自分の居場所だ」と思える
就職先である今の職場がみなさんの中で「自分の居場所だ」と思えることは、とても重要です。
障がい者雇用で長く働く秘訣①~③の挨拶や報連相を意識しながら仕事を進めると、職場で愛され信頼される人となることでしょう。職場に愛され受け入れられていると、働く側も職場に愛着がわきます。
アクシデントが起こっても自分や誰かを責めず、仕事で支えてくれる方への感謝のきっかけと思えることができます。
このようにプラスのエネルギーが作用する職場は自然と風通しがよく、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が気持ちよく仕事ができる土台が出来上がっています。
改めて、障がいがある方が職場を「自分の居場所なんだ」と思えると、
「ここで働き続けたい」=「辞めたい」と思わなくなるのです。
障がい者雇用で仕事が長続きする人の心理では、職場で「愛し愛され、心が満たされる」ことが大切なのですね。
このような「愛と承認の欲求が満たされる」という心の形成は「欲求の階層説」といい、心理学者アブラハム・マズローが唱えました。
こちらについては、またいつかご紹介いたします。
参照:マズローの5段階欲求 欲求の階層説:サイコタム
5.まとめ
本日は障がい者雇用で就職した方から寄せられるお悩みを見てきました。
「解決方法」と「長く働くための秘訣」をそれぞれにまとめます。
💡「悩み」は些細な事でも早めに相談!
就職後のお悩み解決と秘訣
- 相談できる人を作る
- 自分の仕事に集中する
- 謝る心と感謝の気持ち
- 発想の転換-失敗は成功のもと
障がい特性ゆえに悩みは不安で大きくなり、体調を崩す原因となります。早めに上司へ相談し、週末やお休みの日はリフレッシュしたいですね!
💡仕事の基本を丁寧に、就労定着支援も活用!
障がい者雇用で長く働く秘訣
- 就労定着支援を利用する
- 挨拶、感謝、報連相
- 素直な人
- 就職先が自分の居場所だと思える
よくみると基本的なことでしたが、だからこそ丁寧に仕事の中で行いたいものです。
障がい者雇用、一般就労どちらにせよ、みなさまの頑張りとご縁があって就職された職場です。「仕事を辞める」決断は最終手段として取っておきましょう。
今の職場がみなさまの居場所となりますよう願っています。
これからも多様性の世の中、ご一緒に自分らしく障がいと共に生きていく中の「働く」を考えてまいります。
筆者プロフィール
監修 Macco.Matsuzaki
経歴 ブライダルコーディネーター6年 /就労系障がい福祉サービス歴16年 就労継続支援A型B型 就労移行支援 管理者・サービス管理責任者 / 採用担当 / 就職サポート/営業・販売ルート促進
所属 株式会社クラ・ゼミ 福祉部門就労移行支援事業企画
資格 産業カウンセラー/サービス管理責任者
📢 次回は6/3(月)掲載予定です。
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