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コラム「障がい」と「仕事」

【障がいと仕事】「日常生活管理」が働く上で必要な理由

2024.08.26

こんにちは。

前回は、安定した就労のために職業準備性ピラミッドの階層の1つ目の土台となる「心と身体の健康管理(病状管理)」が大切だということについてお話ししました。

今回は、このピラミッドの2つ目の土台となる「日常生活管理・基本的な生活のリズム」についてみていきましょう。

特性や障がいがある方、仕事を考える際にぜひ参考にしてみてくださいね。

職業準備性ピラミッドの下から2番目「日常生活管理・基本的な生活リズム}
  1. はじめに
  2. セルフケア~心身の健康が仕事の安定につながる~
  3. 時間管理~時間をうまく使えるようになる~
  4. 家庭管理~身の回りを整えると安心感が生まれる~
  5. まとめ

1.はじめに

皆さんは日常生活管理と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?

・毎日決まった時間に起きられること

・3食しっかり食べることができていること

・身の回りの整理整頓ができること

などなど、他にも思いついた方もいらっしゃるでしょう。

これらは特性や障がいがあるなしにかかわらず、全て私たちの基本的な生活のリズムを作るうえで必要なことです。

では、日常生活管理・基本的な生活のリズム(セルフケア, 時間管理, 家庭管理)がどのように仕事の安定性につながるのかみていきましょう。

2.セルフケア~心身の健康が仕事の安定につながる~

セルフケアは生活のリズムを作り、日常生活を整えるための基盤になります。

セルフケアとは、自身の心身の健康や生活を管理するための行動や習慣を指します。

例えば、適切な食事や十分な睡眠、運動、医療ケアなどがあります。特性や障がいがある方にとってこれらのことは、体調の安定につながります。体調が安定していると、生活の中で起こるさまざまな問題にも冷静に対処することができるようになります。

これらを習慣にすることで、日常生活にリズムやルーチンが生まれます。

例えば、毎朝決まった時間に起きて、朝食をとり、出かける準備をするという流れがあると、その後の1日も計画通りに進みやすくなりますよね。

このルーチンがあることで、生活に秩序が生まれ、気持ちが安定していくでしょう。

つまり、セルフケアを行うことでリズムやルーチンが生まれ、日常生活において家事や趣味などの活動に積極的に取り組むことができるようになり、結果的に生活全体が整いやすくなります。

このように特性や障がいがある方にとってセルフケアは自身の心身の健康や生活を安定させるためにとても大切ですし、それが日常生活を整えるための基盤となります。

心身の健康が保たれ、生活が安定していると、集中しやすくなるため長期的な就労に繋がります。

このようにセルフケア、生活リズム作りを丁寧にを行うことで、結果的に仕事の安定性が高まるのです。

3.時間管理~時間をうまく使えるようになる~

時間管理は仕事でもそれ以外でも大切です。

時間をうまく使えるようになるには、計画性とタスク管理が重要です。

例えば、家事の時間を考えてみましょう。

生活を送るためには、毎日多くの家事をこなしていかないといけませんし、仕事をしていると家事に充てられる時間は限られます。そのため、何から手を付ければ良いのか分からなくなることがあるかもしれませんね。

そうならない為に家事のリストを作り、重要な物から順にこなすようにする、これがタスク管理です。

さらに、時間(時計)も意識した上で、どのような順番で片付ければ効率良く家事をこなせるかを考えることが計画性です。

これらタスク管理と計画性を使って家事に優先順位を付け、いかに効率よくこなしていくか、これが時間管理です。

時間管理は、日常生活で実践していくことでも、次第に身につきます。

特に発達障がい、ASD、ADHDの方は視覚化、見える化したほうが行動に移しやすいと言われています。ぜひ「やることリスト」の書き出しをしてみてくださいね。

仕事においてもこの時間管理は重要です。限られた勤務時間の中で効率よく仕事を進めるには、自身のタスクをリストアップして優先順位をつけ、計画的にタスクをこなしていく必要があります。

このように、日常生活で培われた時間管理スキルは、仕事の効率性に直結します

障がい特性があるみなさまにおきましては、仕事中に時間(時計)と「やることリスト」を意識してみると上手くいくかと思います。

タスク管理のために「やることリスト」を作って、タスクの見える化をするのもおすすめです。

4.家庭管理~身の回りを整えると安心感が生まれる~

金銭管理も家庭管理のひとつです。

家庭管理とは、生活環境を整えることをいいます。

例えば、身の回りの整理整頓や家計の管理などがこれにあたります。

障がい特性ゆえに、片付けが苦手な方は「物の居場所を決める」「住所を決める」イメージで整理整頓を行っていただくとよいです。

カギの居場所は、玄関横の棚。 テレビのリモコンの居場所はテレビ台の上、という風にです。

もちろん、ゴミはゴミ箱へ。

洗濯後たたみ終えた洋服の住所はタンスです。引き出しに半袖、長袖と書いたマスキングテープを張っておくといいですね。半袖は1丁目、長袖は2丁目としておくイメージです。

物の場所を決め、生活環境を整えると、家庭内のストレスが軽減します。

家が片付いていると、必要な物を探すために時間をとることが減るので、より時間管理もしやすくなります。片付いた部屋は快適でリラックスできる空間になりますし、家計が適切に管理されていると、経済的な不安が軽減されます。

このように家庭管理ができていると、家庭内での問題が減り、障がい特性ゆえのストレスも減ります。家族間のコミュニケーションも円滑になるでしょう。

家庭内の問題が少ないと、仕事中にそれらのことを気にする必要がなくなり、目の前の仕事に全力を注ぐことができます。

これにより、仕事のパフォーマンスが向上し、安心感を持ち続けることができるので、長期的な職業安定性につながります

5.まとめ

まとめ:セルフケア、時間管理、家庭管理が大切です。

日常生活管理・基本的な生活のリズムにとって、セルフケア時間管理家庭管理の3つが大切だということをおわかりいただけたでしょうか?

障がい特性があるかたも、そうでないかたにとってもこれらのことは、仕事を長く安定して続けるための土台になります。

日常生活管理・基本的な生活のリズムが、職業準備性ピラミッドの基礎として位置づけられているのは、このような理由によるものです。

障がい者や特性を持ったみなさまが将来に安定して働くためにも、ご自身の身の回りについて振り返り、出来る部分から整えていけると良いでしょう。

アクセスジョブでは皆さまに合わせてこれらの支援も行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

📢次回は社会生活能力・対人技能についてお話できればと思います。

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